ラーバ デメテル カメオ リング [42-31-2]

ラーバ デメテル カメオ リング [42-31-2]

商品詳細

アンティーク エバーランド


品 番
 42-31-2
年 代
 19世紀半
生産国
 イタリア
素 材
 ラーバ(イタリア ヴェスヴィオス火山の溶岩)、シルバー
寸 法
 リングサイズ:12.5号
 縦:3cm、横:2.5cm
ひと言
 
 19世紀中期から後期にかけて、カメオは、バラエティーに富んだ様々な素材
 で作られるようになり、マラカイト、ラピスラズリ、珊瑚、象牙、ジェット、ラーバ
 等が用いられました。
 特に、イタリアのポンペイ遺跡を訪れた、多くのイギリス人、フランス人旅行者
 は、旅土産として、ヴェスヴィオス火山の溶岩:ラーバから作られたカメオを
 持ち帰ったそうです。

 このラーバという素材のカメオは、シェルやハードストーンとは、また一味違っ
 た温か味(溶岩なので、文字通り温かいのかも知れません。)や、滑らかさを
 感じさせ、地学好きにはたまらない一品です。
 また、この一見地味で、身に着けようものなら、こちらまでこの色に染まってし
 まうのではないかと懸念してしまうような色をしておりますが、ところがどっこ
 い、この大ぶりで、丸っこい形状も手伝ってか、もの凄く、手が綺麗に見える
 のです。
 不思議なことに、手の大小、色、指の長さ、肉付き等の個性を問わず、とにか
 く綺麗に見えることには驚かされました。
 しかも、手の延長線上の様な色合いなので、服装の色にも左右されません。

 カメオは、流行が盛んとなる18世紀から19世紀初期は、ゼウスやヘラクレス
 等英雄的・男性的なモチーフが多く、19世紀中期から後期は、ヴィクトリア女
 王即位の影響と言われるように、ギリシャ神話、妖精等優美で女性的なモチ
 ーフが好まれた様です。

 この19世紀中期に作られたカメオは、稲穂の髪飾りを着けた豊穣の女神デメ
 テルの彫刻が施されております。
 デメテルは、穀物の栽培を人間に教えた神とされ、その名前は、古代ギリシ
 ャ語で「母なる大地」を意味するそうです。
 デメテルがどの様な女神かということを理解すると、なるほど、ラーバという素
 材を前にすると、ふっとこの女神が頭を過ぎり、彫りたくなってしまう気持ちが
 分かります。
 独特の素朴さ、というか、大地、原点、拠り所の様な感覚を受けます。
 そんな気持ちで眺めると、「お母さん」的な、ほっとする、癒しのカメオの様に
 感じられます。
 髪や飾り、ドレスのドレープ等、細やかな彫りも、丸みの有る、優しい印象を
 受けます。

 そんな「お母さん」がサイドから見ると、こんなに色っぽく、美しい・・・
 正面から見ると開いている目が、サイドから見ると伏目がちに見え、その人
 の違った一面を見つけた時の様に、ドキリとさせられます。

 女性の豊かな美しさを、再認識させられる思いでございます。