『西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展』に行く

先日、Bunkamura ザ・ミュージアムにて、『西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展 http://toiledejouy.jp/』を見て参りました。

(^~^)ゞ期間はあと少しで終了ですが、次は、2016年8月6日(土)~9月11日(日)迄、郡山市立美術館にて展示するそうです。

(^~^)ゞ気が付くと、パンフレットを戴き忘れました!というか、置いてあったのかも定かではございません。よって、今回は、絵や写真の誤魔化しが利きません。


展示は、わたくしの大好きな、青々とした緑の森、田園風景モチーフの源泉とも言える大型フレミッシュ タペストリーから始まります。
見慣れない遠近法の、不思議な空間に、引き込まれる様な臨場感を覚えます。
これが、c.1600年の作とは驚きました!今、目の前に拡がる、新鮮な光景としか思えないからです。

次に、2000年以上の歴史を誇るインド更紗の展示があり、金色の模様が、“金雲母の粉末を蒔いて”仕上げたものと、知りました。勿論、マハラジャ御用達です。
17世紀、東インド会社設立後は、インド更紗の図案が、ヨーロピアナイズドされ、丁度良い、東洋・西洋加減に変化したと感じました。

(言われてみれば、そうか(・0・。))と思ったのは、日本でも、1671年~長崎で、幕府の役人:反物目利きが鑑定し、輸入され、大名・文人に絶賛されていた様です。

滋賀大津の赤星家のインド更紗帖には、沢山の端切れが、分厚い帳面に貼り付けられ、もの凄い消費量だったのだと驚かされましたw(*゚o゚*)w
着物や、小物に、お洒落に取り入れた例が、いくつも展示されていましたが、東洋起源の柄だけに、とても、しっくり馴染んでいます。
きっと、縁起の良い文様を選んだり、また、異なる文様の布を組み合わせたり、皆さんで、ウキウキわくわくされた様子が目に浮かびます。

さて、フランスでは、1686年~73年もの間、更紗禁止令(あまりに人気で、羊毛・生糸等旧来の繊維業者の反発があったため、製作・綿の輸入・着用をも禁止)が発布される程の人気があったというのには、本当に、驚きました。

お客様に、綿のアンティークレース・ファブリックをご紹介していると、「(現在では高級な)シルクはないか?」とご質問戴き、「昔は、シルクより、綿の方が高級・高価でございましたので・・・」とご説明申し上げる事が有るのですが、自分で知識として知っていた事が、実感として、腑に落ちました!

禁止令解禁直後1760年に、ドイツ出身のクリストフ フィリップ オーベルカンプが、都会と田舎の中間ヴェルサイユ近郊の村:ジュイ アン ジョザスに工場を構えてから、閉鎖する1843年迄、木版プリントの花柄から、銅版プリントの風景柄迄、3万点を超えるデザインを世に送り出したそうです。
用途も、衣服のみならず、室内装飾用のものもございます。

全て素晴らしいと感銘を受けるのですが、特に虜になったのは、「アイリス+ペキンストライプ」と「具象化した芸術+星で繋がる菱形文様」です。
有機・無機、具象・抽象、相反する要素が絶妙のバランスで1つのデザインになっています(´- `*)♥

皆様も、ご自身のお気に入りを見付けてみては如何でしょうか♪